[前編]現在のARは初期のWebに相当,多くのビジネスが集う生態系に 頓智・ 代表取締役社長 井口 尊仁 氏 拡張現実(AR,augmented reality)サービスの「セカイカメラ」を,ソフトバンクテレコムと共同で2月に公開した頓智・(とんちどっと)。今年の夏前に米アップルの「App Store」を通じ,iPhone向けにアプリケーションを配布する。ARを実用化レベルまで進めて見せた同社だが,携帯電話で動くARサービスは今後大きな競争の波にさらされそう。その勝算を井口社長に聞いた。 サービス名はなぜ「セカイカメラ」で,社名は「頓智・」なのか。 セカイカメラは,世界を丸ごと扱えるカメラという意味だ。大学生のころにプログラミングを学んでいて,ある瞬間に“世界の人間の思念は演算可能なんだ”と直感的にひらめいた。このインスピレーションが原点にあり,世界は多様な見え方によって演算されていて,人