穀物や資源などの世界的な高騰を受け、食品の値上げが続いている。足元の円安が拍車をかけ、食用油や小麦に加え加工食品や飲料にまで値上げの波が押し寄せる。だが、穀物や資源などの輸入品の価格上昇に比べると消費者物価の上昇はごくわずか。メーカーや小売りは、価格転嫁に踏み込みきれないのが実態だ。(高屋優理) 【原材料調達コスト】大幅増避けられず 食品価格高騰の中心である食用油と小麦粉。2020年頃から続く穀物や原油などの相場上昇に、急激な円安やロシアによるウクライナ侵攻が拍車をかけている。原材料の調達コストの大幅増が避けられず、食用油では日清オイリオグループ、J―オイルミルズ、昭和産業の大手3社が21年4月納品分以降、計5回の価格改定を実施。店頭価格で21年比で1・5倍程度に上がっている製品もあり、家計を直撃している。 日清オイリオは今後の見通しについて、「(原材料高につながる要因として)ウクライナ危