安倍首相とプーチン大統領が11月14日に会談し、1956年の日ソ共同宣言を基礎に、日ロ平和条約交渉を加速させることで合意した。時事通信・元モスクワ特派員の名越健郎氏は、安倍首相の父・晋太郎氏が日ソ平和条約にかけた思いに注目する。 (聞き手 森 永輔) 安倍晋三首相が11月14日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談したのち、「1956年の日ソ共同宣言を基礎に、日ロ平和条約交渉を加速させることで合意した」と明らかにしました。 名越さんは、プーチン大統領が9月12日に「前提条件をつけることなく日ロ平和条約を年内に締結しよう」と提案した際、次のような見通しを持っていました。「国後と択捉に関しては、プーチン政権の下での返還はもうあり得ません」。「4島返還(国後、択捉、歯舞、色丹)の旗を降ろして、日ソ共同宣言に書かれているレベルもしくはそれ以下の条件で妥協し、プーチン大統領と話をつけるか。4島