近年、観光用の「ポスター」に大きな変化が見受けられます。これまで観光をうながすポスターといえば、有名タレントやモデルが風光明媚な景勝地にたたずんでいたり、高級旅館の囲炉裏端に大きなカニが横たわっていたりと、その街の名物を大々的にアピールするのが定番でした。 しかし昨今、表現が変わってきているのです。地元の店主たちが自ら登場し、決して気取らず、リアルな声を届けるポスターが増えてきています。 皺が深いおばあさんが「お客様は神様やって言うけど、うちの常連さんは、半分ぐらい仏様になってしもうたなあ」とつぶやくなど、笑いと哀愁が入り混じる“人に寄せた”表現が台頭。 そんな人情味がある「おもろいポスター」を鑑賞するためにその街へ訪れる行楽客数がアップしているのだとか。 この「ポスターで町おこし」を発起し、これまでの広告マン人生をかえりみた新刊『迷子のコピーライター』(イースト・プレス)の著者である株式