エストロゲンの減少で滑膜(かつまく)が腫れ、炎症が起きやすくなる 更年期になると続発する、これまでになかった手指のトラブル。なぜこんなことが起きる? 「女性ホルモンのエストロゲンには手指の関節や腱のまわりにある滑膜という組織の腫れを抑える働きがあります。しかし、エストロゲンが減少する更年期になると、この働きが低下し、滑膜が腫れて滑膜炎が起きやすくなります。すると靱帯(じんたい)がゆるんで関節がグラつき、軟骨が摩耗するため、手指のトラブルが起きやすくなるのです」(池上亮介先生) 更年期に多い手指のトラブルは原因によって2つのタイプに分けられるとか。「ひとつは手指の関節の軟骨がすり減って関節が変形する“変形性関節症”タイプで、へバーデン結節、ブシャール結節、母指CM関節症などがあります。もうひとつは“腱鞘炎(けんしょうえん)”タイプ。ばね指、ドケルバン病、手根管症候群などがあります。放置すると