あなたは偉大な欧州人だった――。6月16日に87歳で死去したドイツのコール元首相の葬儀が1日、欧州議会があるフランス東部のドイツとの国境の町ストラスブールで営まれた。東西ドイツ統一と、欧州の統合と和解に果たした功績をたたえ、欧州連合(EU)が初めて葬儀を主催した。 故人の遺志に基づき、ドイツ政府による国葬は行われず、葬儀はユンケル欧州委員長が主導した。ユンケル氏は「ドイツを愛し、同時に欧州を愛した」とその死を悼んだ。メルケル独首相、マクロン仏大統領らが参列。国の枠を超え、青いEUの旗に包まれた棺(ひつぎ)を前に別れを惜しんだ。式典はドイツ国歌とともに、EUの歌とされるベートーベンの「歓喜の歌」の演奏で締めくくられた。(ストラスブール=高野弦)