「発達障害のリアル」を、自身も発達障害(学習障害)の息子を育てるフリーランス編集者・ライターの私(黒坂真由子)が模索する本連載。このたび1冊の本になり、『発達障害大全』として近日、発売となる(アマゾンなどで予約販売中)。 今回のテーマはASD (*)。日本語では、「自閉症」や「自閉スペクトラム症」と呼ばれるASDは、対人関係が苦手で、こだわりが強いことを特徴とする。日本自閉症スペクトラム学会会長などを歴任する、ASD研究の第一人者、本田秀夫氏に話を聞いた。ASDの当事者などが一番困っているのは、実は、対人関係でもなければ、こだわりの強さでもないという。何が一番の問題なのか? 「発達障害」とは何かを、本田先生の言葉で、わかりやすくご説明いただけるとしたら、どういった表現になりますか。 本田秀夫氏(以下、本田):発達障害には、いろいろな種類やタイプがありますが、ひとつのジャンルとして発達障害を