そのメールが届いたのは昨年、2024年9月22日のことでした。 『はじめまして。私たちの息子・航平は、3月11日の下校中、横断歩道で信号無視のトラックにノーブレーキではねられました。その日のニュース速報に、柳原さんからコメントをいただいていました。事故から半年たった今も意識が戻らず、明後日、9歳の誕生日を迎えます。航平が背負ったあまりに重い現実、失ったものの大きさ……、私たちはあの日以来、どこにもぶつけることのできない恐怖や苦しみを抱えたまま、航平のいない家で、毎日泣きながら生きています』 読み進めて、はっとしました。そしてあのときの映像が鮮明によみがえりました。 東日本大震災からちょうど13年目にあたる2024年3月11日の夕方、「小学生が交通事故で重体」というニュースが速報で流れました。そこに映し出されたのは、横断歩道の先に停止している1台のトラックと、その右後輪のすぐ横に転がる、黄色
