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bookreviewに関するnekonikeのブックマーク (18)

  • 【書評】『最強のコミュニケーション ツッコミ術』(村瀬健・著) - やまもといちろうBLOG(ブログ)

    苦手な人と、話が続かなくて困っている人には、最適なだと思うんですよ。 対人スキルやコミュニケーションのあり方に悩みには、とても効く内容です。 「ツッコミには10個の型がある」と分類されてますが、漫才やコントでなくとも日常会話で行うツッコミって、要するに相手と話を続けたり、内容を引き出すための「うまい相槌」のことなんですよね。 相手との会話での違和感へのツッコミの技法をうまく使うことで、話が途切れなくなったり、ミスを正せたり、相手に「あ、こいつは俺の話をちゃんと聞いているんだな」と感じてもらえやすくなるのは間違いありません。こうして書で10の技法と分類されて読み進めてみると、確かに私自身も対談その他で似たようなことを考えているし、逆に自分でできていない技法があることに気づきます。「セルフツッコミ」とか「ノリツッコミ」はほとんどしないですし、この分類だと自分はこれとこれは多用してるな、とチ

    【書評】『最強のコミュニケーション ツッコミ術』(村瀬健・著) - やまもといちろうBLOG(ブログ)
  • ゴードン『ミシンと日本の近代』(つづき):マイクロファイナンス、グローバリズム、「主婦」と家庭と社会、その他なんでも! - 山形浩生 の「経済のトリセツ」

    ミシンと日の近代―― 消費者の創出 作者: アンドルー・ゴードン,大島かおり出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2013/07/24メディア: 単行この商品を含むブログ (9件) を見る 昨日から引き続き、『ミシンと日の近代』。今和次郎の考現学を通じた洋装の発達とミシンの普及(そして各種服飾学院みたいなものの発達)のからみあいから、こんどは戦時中のモンペ(お約束の但し書きはつけません)の考案とナショナリズムとミシン文化の関連、そして戦後の蛇の目ミシンなどによるシンガー社のコピー商品の発達とそれに対する異様なまでのグローバル企業シンガーミシンの対抗策(うまくいかないが)。そして、最後に 1950 年代の、ドレスメーカーとしての主婦の役割再検討と、その急激な変質。 昨日、読みかけのときに書いた、1960 年代後半からの急激な裁縫/ミシン離れについても、当然きちんと記述がある。ミシンも

    ゴードン『ミシンと日本の近代』(つづき):マイクロファイナンス、グローバリズム、「主婦」と家庭と社会、その他なんでも! - 山形浩生 の「経済のトリセツ」
  • ゴードン『ミシンと日本の近代』:抜群におもしろい。物販と金融と生産に消費、産業と文化と女性の社会進出、なんでもあり! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ミシンと日の近代―― 消費者の創出 作者: アンドルー・ゴードン,大島かおり出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2013/07/24メディア: 単行この商品を含むブログ (9件) を見る 読んでいる途中だが、抜群におもしれーわ、これ。ミシンの普及は掃除機や洗濯機と同じく、女は家庭で男は仕事、みたいな単純な性分業の一環として捕らえられがちだけれど、実は全然ちがっていて、ミシンによる内職を通じた女性の社会進出(自活)の一貫でもあり、またそれを使った日の繊維産業の発達の一貫でもあった。さらにシンガーミシンのための割賦販売というのが日における割賦販売の先駆であったんだけれど、ミシンの役割から見てこれはつまり、一種のマイクロファイナンスとしても機能していたわけだ。 さらにそれは、日における和装洋装論争にも関連しており、いまや見る影もない婦人誌(『主婦の友』とか)も一方でミシン販売に加担

    ゴードン『ミシンと日本の近代』:抜群におもしろい。物販と金融と生産に消費、産業と文化と女性の社会進出、なんでもあり! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • Duff McDonald The Firm: McKINSEY & THE INVENTION OF AMERICAN BUSINESS (2013) 査読評価書 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    マッキンゼー―――世界の経済・政治・軍事を動かす巨大コンサルティング・ファームの秘密 作者: ダフ・マクドナルド,日暮雅通出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2013/09/21メディア: 単行この商品を含むブログ (7件) を見る 昔、査読したの邦訳が出版されたので、査読書をおいておく。なお、文中にもあるけれどぼくが読んだのはまだ未定稿。実際に出版されたものは、以下の査読書よりある程度は改善されている可能性が高い(章の構成など明らかに変わっているので、少し整理された模様)。その点はご留意を。なお、この査読書を読んだ出版社は、このの翻訳権取得を見送っている。 Duff McDonald The Firm: McKINSEY & THE INVENTION OF AMERICAN BUSINESS (2013) 査読評価書 平成24年9月26日 山形浩生 1. 概要 現代のビジ

    Duff McDonald The Firm: McKINSEY & THE INVENTION OF AMERICAN BUSINESS (2013) 査読評価書 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 東京新聞:「坂本龍馬」の誕生 知野 文哉 著:Chunichi Bookweb(TOKYO Web)

    トップ > Chunichi Bookweb > 書評 > 記事一覧 > 記事 【書評】 「坂龍馬」の誕生 知野 文哉 著 Tweet mixiチェック 2013年3月24日 ◆虚像そぎ取り見える魅力 [評者] 嶋岡 晨 詩人。著書に『魂柱・反世界遺構』『坂龍馬の生涯』など。 書の基にあるのは、司馬遼太郎『竜馬がゆく』その他による竜馬像の先入観を、史実検証により徹底的に排除する姿勢だ。その要は、有名な<船中八策>の成立事情の考証、事実確認に見られる。 古い郷土史誌や未刊草稿にもおよぶ資料の博捜、『龍馬関係文書』の虚実や竜馬研究家の「確定」事項の正誤にいたる詳細な調査-じつに精力的な検証ぶりだ。それによって従来無批判に受容された基礎史料からも、後世の付加した夾雑物(きょうざつぶつ)が排除され「事実」だけが小気味よく洗い出される。 ただならぬ情熱に裏打ちされた証拠固めの結果、竜馬の政

  • 宮本『企業家たちの幕末維新』:当時のビジネスマンの本。活躍したのは役人や政治家だけではない! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    企業家たちの幕末維新 (メディアファクトリー新書) 作者: 宮又郎出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2012/12/28メディア: 新書購入: 12人 クリック: 512回この商品を含むブログ (2件) を見る これまたタイトル通り。幕末や明治初期の企業家というと、渋沢栄一とかその後の財閥の創始者たちがぱっと浮かんで後は出てこないけど、当然ながらいろんな企業家が活躍したことで、富国強兵も実現できたし、その後の発展もあったわけで、そうした活躍ぶりの手際いい解説としてとても有益。技術的な面と資や財務経済的な面、マーケティングの面など、視点も偏らずに手堅い。幕末の志士だの伊藤博文や後藤新平だのばかりに注目せず、こうしたビジネスマンの活躍も見よう、というのはおっしゃる通り。ジョブスの伝記なんか読むよりはこんなでもさらっと読んだほうが、いろいろ得るものはあると思うよ。 山形浩生

    宮本『企業家たちの幕末維新』:当時のビジネスマンの本。活躍したのは役人や政治家だけではない! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 三浦『シビリアンの戦争』:シビリアンコントロールは本当に有効か? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき 作者: 三浦瑠麗出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/10/19メディア: 単行購入: 13人 クリック: 615回この商品を含むブログ (14件) を見る 書は、ぼくたちの多くが慣れ親しんでいる軍や戦争に関する基的な考え方に大きな疑問をつきつけるだ。従来の発想では、軍人は戦争大好きだとされる。だから平和を愛する文民が彼らの活動を常に監視し、抑えなくてはならない。これが文民統制(シビリアンコントロール)の発想だ。 でも近年の多くの戦争の実態はちがう、と著者は指摘する。軍人たちは、戦闘で真っ先に死傷するのは自分たちだ。だから勝算のない無意味な戦争にはきわめて慎重だ。むしろ文民たちのほうが、独裁政権打倒とか対テロとか、その時の勝手な思い込みと勢いで、軍人たちを(民主主義のおかげで!)戦争に引きずり込んでいる、と。すると、文民

    三浦『シビリアンの戦争』:シビリアンコントロールは本当に有効か? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 関『東日本大震災と地域産業復興』: 震災復興の歩みから日本産業の将来像を見通す - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    東日大震災と地域産業復興 II: 2011.10.1~2012.8.31 立ち上がる「まち」の現場から 作者:関 満博発売日: 2012/10/15メディア: 単行 東北震災以来、もう二年近く。ニュースだけ見ていると、国としての初動の遅れ、空疎な文明論を並べて増税の口実にされただけの復興会議、さらに最近判明した復興予算の流用など、特に国レベルの対応のまずさばかりが伝わってくる。また一部では原発事故への過度の不安から、瓦礫受け入れなど復興への協力すら拒否しようとする人々までいるのは悲しいことだ。 だがもちろん地元の企業や人々は着実に復興を進めている。書は震災の直後、東北各地の特に製造業を中心とした産業復興の様子を、中小企業へのたんねんな取材調査で継続的に描き出す。それも「がんばりました」の一時的な美談集ではない。多種多様な企業の事業復活が、震災から一年半のそれぞれの時点で東北全体の産業

    関『東日本大震災と地域産業復興』: 震災復興の歩みから日本産業の将来像を見通す - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ホバーン『ボアズ=ヤキンのライオン』:すばらしい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ボアズ=ヤキンのライオン (ハヤカワ文庫 FT (69)) 作者: ラッセル・ホーバン,荒俣宏出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1984/11/30メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 3,037回この商品を含むブログ (10件) を見る 読もうと思ってずっと棚の隅にいたこの、南アフリカに持ってきて読んだけれど、すばらしい。ヨハネスブルグの町をこの高層ビルから見渡すと、ライオンは確かにいる。いるのだけれど、どこへ行ったのだろう。地図を見れば居場所がわかるだろうか。でもその地図はだれが。ぼくの作る地図には、ライオンがいないのだ。車輪にかじりつくライオン。王さまに殺されるライオンが。 書はそういう話なのだけれど、読む人みんな、自分がかつて持っていたライオンを思い出すだろう。そしていま自分が持つ地図の危うさにふと思いをはせることだろう。地図はもうない。ライオンはいた。いる。いっこ

  • [書評]20歳の自分に受けさせたい文章講義(古賀史健): 極東ブログ

    これはすごいを読んじゃったなというのが読後、第一の感想。文章技術は古今東西いろいろあるけど、ここまで「文章を書く」技術の手の内を明かしたはないんじゃないか。ライターの企業秘密だろ。 このを読んだことは秘密にして自家薬籠中の物としたいな、というのが第二の感想。そんなケチなこと言わずに、すごいは紹介したらいいじゃないかが第三の感想。もう一つ加えると、わかりやすく書かれているけど、このを理解することと、実践することは、ちょっと別かもしれないということ。 難しいではない。表題に「講義」とあるが、講義録をもとに整理して書かれたといった印象だ。後書きで知ったが、「文章の書き方」といった内容の長いインタビューの過程で「それにしましょう」ということで出来たらしい。形式を変えて演習を付けたら文章講座の教科書にも使えそうだ。 このを私が知ったきっかけは、cakesに連載されている「文章

  • 日置/中牧編『会社神話の経営人類学』:企業アイデンティティ形成過程を分析した面白い本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    会社神話の経営人類学 作者: 日置弘一郎,中牧弘允出版社/メーカー: 東方出版発売日: 2012/09メディア: 単行購入: 18人 クリック: 1,212回この商品を含むブログを見る 最近ではスティーブ・ジョブスとアップルの話に顕著だけれど、会社は発展成長の過程でいろんな神話を紡ぎ出して(時には捏造して)、それをアイデンティティ構築に使いブランディングや企業のまとまりを生み出す。書は、いろんな日企業(または外資日法人)についてそうした神話がいかに造り上げられたかを、神話学、民族学的に分析検討したもの。 とってもおもしろい。多くの人は、ジョブスの伝記とかを思いっきり真に受けて気で感動するくらいバカで、そこに書かれている「製品哲学」が目の前の製品と露骨にちがっていることにすら気がつかない。(たとえば、ジョブスがジョナサンアイブと、一件かっこよさげな製品を見つけて喜んだが、それがネジ

    日置/中牧編『会社神話の経営人類学』:企業アイデンティティ形成過程を分析した面白い本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 川越『はじめてのゲーム理論』:概説書としてはまあまあ。でも量子ゲーム理論って何のためにあるの? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    はじめてのゲーム理論 (ブルーバックス) 作者: 川越敏司出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/08/21メディア: 新書購入: 14人 クリック: 161回この商品を含むブログ (7件) を見る ゲーム理論の入門書で、それなりに簡潔にまとまっている。もちろん流し読みだけではわかったような気になるだけで、ホントはもっと細かく見るべきなんだが、すわってきちんと手を動かすこともできるように練習問題その他もついている。囚人のジレンマの話を延々書くようなではなく、パレート最適、ナッシュ均衡、メカニズムデザイン、不可能性定理と話が進んでいって、羅列に終わらず分野としての発展の軌跡とそこでの悩みという見通しもよいと思う。(そうそう、メカニズムデザインってことで、今年のノーベル賞ともからんでるのか) ただ、最後にくるのが量子ゲーム理論。最先端だというんだが、そうなのかも。でも、ぼくはこれが現実

    川越『はじめてのゲーム理論』:概説書としてはまあまあ。でも量子ゲーム理論って何のためにあるの? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • トウェイツ『ゼロからトースターを作ってみた』:よい子は真似しないように……いやしたほうがいいかな? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ゼロからトースターを作ってみた 作者: トーマス・トウェイツ,村井理子出版社/メーカー: 飛鳥新社発売日: 2012/09/14メディア: 単行購入: 35人 クリック: 2,808回この商品を含むブログ (20件) を見る タイトル通りの代物。ゼロからトースターを作る。それだけ聞くと、簡単そうだ。ニクロム線買ってきて、平たい耐熱絶縁体に巻いて、トランスかませてコンセントにつなげばいいんじゃない? でもこのはそれをはるかに超えることをやっている。市販のパーツを組み立てるだけじゃない。そのパーツそのものも作ろうとする。金属部分は実際に鉄鉱石を掘り起こして精錬するところからやる(やろうとする)。絶縁体の雲母を実際に掘り起こす! プラスチックを作ろうとして原油入手に奔走! それも古い手動のトースターでなく、ポップアップ式のトースターが作りたいとのことで、相談する先々で呆れられ…… 結局のとこ

    トウェイツ『ゼロからトースターを作ってみた』:よい子は真似しないように……いやしたほうがいいかな? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 伊藤『屍者の帝国』:バロウズできましたか。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    屍者の帝国 作者: 伊藤計劃,円城塔出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/08/24メディア: 単行購入: 43人 クリック: 1,717回この商品を含むブログ (191件) を見る 病床の伊藤が行動記録クリーチャーのフライデーを使って書いた絶筆。その意味で、書は現実を模倣するものでもある。 伊藤はぼくの関心をかなりなぞっているし、今回も意識の話だというのは聞いていたけれど、まさかまったく別のぼくの関心のほうまで拾ってくれるとは思わなかった。バロウズの座右の銘:Language is a virus from outer space. あるいはもっと正統SFファンなら、アミガサタケの話とでも言おうか。ありがとう。でもそれを核に据えたために、当の創発的な意識のあり方についての考察が迂回されてしまったのは、ちょっと残念。が、一方でゾンビというものについて、非常におもしろい

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  • ペルッツ『夜毎に石の橋の下で』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    夜毎に石の橋の下で 作者: レオ・ペルッツ,垂野創一郎出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2012/07/25メディア: 単行購入: 5人 クリック: 222回この商品を含むブログ (39件) を見る ペルッツは、昔かの名作『第三の魔弾』を読んで、七〇年代くらいのラテンアメリカ作家だとばかり思い込んでたんだよね。それが20世紀初頭の東欧作家とは意外や意外。 で、これはそのペルッツのかなり後期の作品……と書くことにどこまで意味があるのやら。狂王ルドルフ二世に、大富豪のユダヤ人商人、その、その財産、ユダヤ教司祭に天使、そのそれぞれの運命が人すら気がつかないほどかすかに、だが多様な形でからまりあい、そのかすかなからみあいが、それぞれの人生を大きく変えている――読むうちにそれがだんだん明らかになってきて、そして冒頭の短編に出てきた司祭の謎の行動がやがて解き明かされるとともに、すべてのパズ

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  • [書評]ヤスミナ『テロル』:すばらしい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    テロル (ハヤカワepiブック・プラネット) 作者: ヤスミナ・カドラ,藤優子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/03/23メディア: 単行購入: 29人 クリック: 1,873回この商品を含むブログ (33件) を見る 文学は死んだとか生きているとか半死半生だとか復活したとか、いろいろ言われる時代に、書のように何のてらいもない、骨太の真正面からの文学を読まされると、当にうちのめされたような気分になる。 何のてらいもない、と書いたけれど、いま先進国の多くの文学は、そのてらいだけで成立している。変な技法、自己参照、書くべき問題がないことを延々と書くような自慰的な耽溺。それはそれでおもしろいこともあるんだが、やはりそれだけのものでしかない。 書はまったくちがう。イスラム圏の近代化と伝統、パレスチナとイスラエル、そして女性の地位その他の問題を見事にからめつつ、怪しげな技法に

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  • [書評]世界でもっとも有名なシェフ カーネル・サンダースの自伝(ハーランド・デーヴィッド・サンダース): 極東ブログ

    ケンタッキーフライドチキンの店頭に立っている白髪・白装束・黒ぶちメガネのカーネルおじさん人形人が書いた自伝の日語訳「世界でもっとも有名なシェフ カーネル・サンダースの自伝」が無料で、PDF形式でケンタッキーフライドチキンのサイトからダウンロードできる(参照)というので読んだ。広告みたいなものかなと思っていたら、全然違った。 やたらと感動しまくってしまった。がんばれ、サンダース。どん底の人生から這い上がって成功しては、またどん底に。そしてまた成功してどん底に。その繰り返しを屁とも思わず、チャレンジしていく。不屈のカーネル。 なにより驚いたのは、後世、ケンタッキーフライドチキンで著名になるカーネルがこのフランチャイズのビジネスを開始したのは、全財産すって年金暮らしという65歳のときだったということだ。65歳からの再出発でまた人生に成功した。すごいなんてもんじゃない。それに、慈善家。孤児た

  • 栗岩『モリで一突き』:楽しげですばらしい青春記。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    モリでひと突き 作者: 栗岩 薫出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 2011/09/23メディア: 単行購入: 7人 クリック: 238回この商品を含むブログ (1件) を見る 趣味でモリ突き式の魚取りにはまり、それが講じて魚の研究者になった著者の、モリ漁一代記(の発端部分)。大学のサークル活動で、ふとしたきっかけからモリ漁にはまり、そのまま魚を求めて仲間とあちこち魚を捕りにまわった様子をひたすら描くだけ。これをイントロに魚の研究の話にでもつなげるかと思ったらそれもなく、とにかく楽しい魚取りの話が続く。無謀さと発見と仲間との交流と、当に純粋な楽しさを描いたで、つまらない文明論的な説教なんかもなく、ひたすらすがすがしい。そういう説教じみた邪心がないから、読んで「あ、おれもこういうくだらないことに情熱を燃やした時期があったなあ」と涙が出そうになると同時に、これまで何も興味なんかなかっ

    栗岩『モリで一突き』:楽しげですばらしい青春記。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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