前回記事・【対談】私たちは「逃げ恥」の何に「萌えた」のか? に続き、「逃げるは恥だが役に立つ」原作の漫画家・海野つなみさんと、ドラマの脚本を担当した野木亜紀子さんの対談後編をお届けします。逃げ恥の裏テーマは「多様性」なのだとか! マイノリティーなキャラクターが集まり、共感広がる ――野木さんはドラマの顔合わせのときに、「多様性を大切にしたい」と言われたそうですね。 野木さん(以下、敬称略) 実は私、海野先生がその日いらっしゃることを直前まで知らなかったんです。原作者の思惑をよそに、そんなことを勝手に言ってもいいものかとも思ったんです。でも、この物語の登場人物って、平匡にしてもみくりにしても、他の人も、ある種のマイノリティーだなと思うところがあって、以前からプロデューサーにはそう伝えていて。ほかのことを話す準備もしていなかったので、これは所信表明だと思って、キャストとスタッフの皆さんに「この