安倍政権の女性施策は勘違いばかり 女性に不利な働き方のルールを変更せよ ―『Journalism』12月号より― 上野千鶴子 社会学者、立命館大学特別招聘教授、東京大学名誉教授 これまでネオコン(ネオコンサーバティブ)とネオリベ(ネオリベラリズム)の結託のもとに、「国家と家族の価値」を称揚してきた保守政権の言い分としてはにわかに信じがたいが、そしてそれを推進するはずの「女性活躍担当大臣」の有村治子や「拉致問題担当大臣」の山谷えり子などの女性閣僚の顔ぶれを見れば、ますます信頼度は下がるが、ここはどこまで本気なのか、そして本気なら、何をやるべきなのか、を検討してみよう。 数値目標は安倍政権のオリジナルにあらず 「202030(ニマルニマルサンマル)」として知られる「2020年までにあらゆる分野における指導的地位に占める女性の割合を30%に」という数値目標は、安倍政権のオリジナルではない。もとも