阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」 2009年5月 2日 [コラム]バーナンキFRBの「出口」 どんな暗いトンネルにも必ず出口がある。いや、出口を考えない「迷える子羊」に、出口はみつからないというのが本当ではないのか。 4月18日、ニューヨーク連銀の市場部門チーフに、38歳とまだ若いブライアン・サックが指名された。彼がアメリカの金融危機脱出の帰趨を制すると言っても過言ではない。前任のビル・ダドリーがNY連銀総裁に昇格した後に抜擢され、そのダドリーも前総裁のティモシー・ガイトナーが財務長官に転出後に昇格したから、いわば玉突き人事。それでも、この布陣に目を凝らすと、「出口」がおぼろげながら浮かんでくる。 NY連銀市場部門チーフの使命は、一般には短期金利の要であるフェデラルファンド金利をオペ(公開市場操作)などを通じて誘導することにあるが、現在のような“非常時”にはその権限が巨大になって