「味わう」という言葉を活用する場合、小さい頃「味あわない」と発音していたような気がするが、小説等を読むと、「味わわない」と記述されているものもある。どちらが正しいのか。 ①『日本国語大辞典』の「味わう」(P.335)を見ると、同語は「他動詞ワ行五段活用」であるということがわかる。現代の用法においては、活用形は「味わわない」。 同書「味あう」(P.301)には、「あじ‐あ・う[あぢあふ] 【味】 〔他ワ五(ハ四)〕「あじわう(味)」に同じ。*彰考館本寝覚記〔鎌倉末〕上「くちにあぢあふ所をばなむ べからず」*俳諧・口真似草〔1656〕一「あぢあふやひとくひと口鶯菜〈吉連〉」」。 ②『三省堂国語辞典』の「味わう」の項目(P.23)には、「▽あじあう」(▽は同義語の意)。 ③『新明解国語辞典』の「あじあう」(P.21)には、「あじあ・う【味あう】(他五)「味わう」の、誤った回帰形」。 ④『学研現代