民生機器で培った技術を応用し、車載事業を拡大する――。そんなパナソニックの事業戦略を体現した部品がある。それが、車載機器向けの放熱ファンだ。これまで同社の「レッツノート」をはじめ、ノートパソコンに採用されてきたものをベースにして、車載用に仕立てた。例えば2001年ごろからカーナビに、2011年ごろからLEDのヘッドランプに採用されているという。 ここ数年、スマートフォンやタブレット端末の影響でパソコン市場全体が縮小。さらに、放熱ファンを求める光学ディスクドライブを搭載する品種が減少したことで、パナソニックのパソコン向け放熱ファンの売れ行きは落ち込んだ。その危機から救ったのが、車載機器向けだった。数量は民生用途ほどではないが、単価が高いため、放熱ファン事業の救世主になっている。 ただし、これまでは日本メーカーでの採用が主だった。そこで、さらなる事業拡大に向けて欧州企業にも積極的に採用してもら