No. 692/Feb.-Mar. 2018 59 目 次 Ⅰ はじめに Ⅱ 学童保育と女性労働 Ⅲ 学童保育に関する実証分析 Ⅳ おわりに Ⅴ 付 録 Ⅰ は じ め に 現在の日本において,少子化は深刻な問題であ る。厚生労働省(2017)によると,2016 年の合計 特殊出生率は 1.44 であり,過去最低である 2005 年の 1.26 に比べると回復してはいるが,低い水 準にある。国立社会保障・人口問題研究所 (2017) によると,出生中位・死亡中位の場合,2053 年 には日本の人口は 1 億人を切り,9924 万人にな ると推計されている。さらに,年齢 3 区分別の人 口規模について,平成 27 年『国勢調査』の時点 で 1595 万人だった年少人口(0 歳から 14 歳人口) が 2065 年には 898 万人にまで減少し,全人口に 占める割合は 2015 年の 12.5
概要 研究の目的 本研究の目的は、技術革新が雇用にもたらす影響に関する近年の学術的な議論及び技術革新が雇用を取り巻く環境を変化させていく状況の中で近年諸外国が講じている政策動向を把握することである。 研究の方法 文献調査、有識者に対するヒアリング調査 主な事実発見 アメリカの動向 アメリカにおける技術革新の議論は、①産業ロボット、②AI、③インダストリアル・インターネット、④プラットフォームビジネス(シェアリング・エコノミー)の4点ある。 先行研究の特徴としては、技術革新は雇用減と同時に雇用増ももたらすが、自動的に雇用減になるわけでない社会、経済、法制度などの存在を意識している。また、雇用増については経済政策の担う役割を重視する。一方、技術革新とスキルの関連では、高スキル、低スキルの二極分化が進み、賃金も二極化がすすむとする先行研究がある一方で、中程度のスキルも新たに登場するとの見方がある
フランスの法定最低賃金(SMIC)(注1)は2018年1月から時給9.88ユーロに引上げることを発表した(注2)。例年、ほぼ同時期に最賃影響率(最低賃金額を改定した後に、改定後の最低賃金額を下回る労働者の割合)に関する統計数値が発表されているが、2017年1月の改定によって賃金引上げとなった雇用労働者が165万人で、労働者全体の10.6%であることがわかった。 2008年以降、小幅な伸びに留まる フランスの法定最低賃金(SMIC)の引上げが12月20日公表された。2018年1月から施行される最賃額は9.88ユーロ。2017年1月改定の9.76ユーロからは1.23%の小幅な伸びにとどまった。2001年以降の最賃額と引上げ幅の推移をみると、2008年以降、小幅な引上げとなっている(図表1)。なお、フランスの最低賃金の引上げは物価上昇に基づいて決定される(注3)ため、物価上昇が激しい場合には年に
「キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)」と「社会民主党(SPD)」の連立協定が3月4日に成立し、それに伴って14日に第四次メルケル政権が正式に発足した。連立協定に基づき、今後様々な政策が実施されるが、労働面では労使自治の強化や有期雇用の濫用規制などが予定されている。 半年近い政治空白に終止符 昨年9月24日の総選挙後、メルケル首相率いる「キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)」は当初、「自由民主党(FDP)」と「緑の党(Grüne)」との三者の連立交渉を行った。しかし、一部の政策で折り合うことができず、11月19日に交渉が決裂。その後、下野(野党)宣言をしていた「社会民主党(SPD)」と交渉を行った結果、3月4日に連立協定が成立し、半年近い政治空白にようやく終止符が打たれた。 良質な雇用の実現に向けた諸政策 180ページ近い連立協定書には、今後4年間で実施する政策のロードマップが
(2023年11月7日更新) 図5-1 性別、年齢階級による賃金カーブ [ 1976年、1995年、2022年 ] (一般労働者、所定内給与額) 資料出所 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」 注1) 1976年、1995年、2022年の各調査年での男女計の「20~24歳」の平均所定内賃金額を100としたときの各年齢階級の平均所定内給与額をあらわしている。 注2) 19歳以下と60歳以上では調査年により年齢階級区分が異なるため、労働者数ウェイトを用いて区分を統合した値を推計した。 注3) 賃金構造基本統計調査では、令和2(2020)年調査より一部の調査事項や推計方法などが変更されている。 図5-2 性別、勤続年数階級による賃金カーブ [ 1976年、1995年、2022年 ] (一般労働者、所定内給与額) 資料出所 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」 注1) 1976年、1995年、2022
最低賃金委員会は6月28日、現在8.5ユーロの最低賃金時給を、8.84ユーロに引き上げるよう勧告した。これを受けて連邦労働社会省は、2017年1月1日から同委員会の勧告通り、最低賃金を時給8.84ユーロに引き上げることを決めた。2015年1月1日に最低賃金が導入されてから初めての引き上げとなる。 引き上げ率は4% 最低賃金委員会の議長を務めたヤン・ツィリウス(Jan Zilius)氏によると、今回の引き上げ額は、全会一致で決定した。 最低賃金導入後に締結した約500の労働協約を基に連邦統計局が算出した平均賃金上昇率は3.2%で、これに最近妥結したばかりの統一サービス産業労組(Ver.di)の公務分野の賃上げ率(4.75%)の実績等が考慮された。失業率は、東西統一以来(過去25年で)最低を記録し続けており、賃上げ交渉を行う労働者の追い風となっている。最低賃金委員会は、以上のような情勢を総合的
フランスの賃金制度の特徴は、1)賃金決定において、労使交渉に基づく産業別労働協約の及ぼす影響が大きいが、その一方で、SMIC(法定最低賃金)注)の水準が高く、カバーする労働者の割合が大きいために、全体の賃金水準に大きな影響を及ぼしている、2)階層別の集団平等的な賃金制度から成果主義に基づく個別的な賃金決定への動きが生じている――という特徴がある。 賃金は、使用者と従業員の話し合いにより自由に決定されるのが原則である。法律上、業種レベルでの賃金交渉が年1回義務付けられ、各企業レベルにも、同様な賃金交渉義務が課せられている。賃金決定については、以下のようなポイントがある。それは、1)熟練あるは職務の難易度別に雇用者全てを格付けする「業種別職務等級表」(等級ごとに号俸が定められている)、2)各等級に照応している「賃金係数」、3)各業種による「熟練度別最低保証賃金」――の3つである。 業種別職務等
【事件名】従業員地位確認等請求同付帯請求事件 【いわゆる事件名】日立製作所武蔵工場事件 【裁判所名】最高裁判所第一小法廷 【裁判年月日】平成 3年11月28日 【事件番号】昭和61年(オ)第840号 【審級関係】 第一審 東京地方裁判所八王子支部 昭和46年(ワ)第200号 昭和53年 5月22日判決 控訴審 東京高等裁判所 昭和53年(ネ)第1384号、第2366号 昭和61年 3月27日判決 【判例要旨】 1.残業を拒否した労働者に対する懲戒解雇が有効とされた事例。 2.いわゆる時間外労働の義務を定めた就業規則と労働者の義務。 3.一 時間外労働につき、いわゆる三六協定が締結されて所轄労働基準監督署に届出られ、就業規則に、当該三六協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨定めているときは、当該就業規則の規定が合理的なもので
自動車大手・ルノー・グループは、2017年上半期、前年比10.4%増の1,879,288台を販売し、半期累計として過去最高の販売台数を記録した(注1)。業績好調の陰で、日刊紙ル・パリジャンと労働組合CGTが共同で行った調査結果によると、ルノーのフランス国内の4事業所において、2013年以降、過労が要因と考えられる自殺者や自殺未遂者が10人以上いたことが判明した(注2)。最近では、フランス北西部ノルマンディー地方の工場で、17年4月に製造現場の労働者が工場内で首つり自殺を図った事例がある。同社では経営合理化を目的とする競争力強化プランが2013年から実施されており、労働条件が悪化したことが今回の従業員自殺に影響しているとの指摘もある。 10年前の管理職・技術職の自殺 ル・パリジャン紙と労働総同盟(CGT)のルノー工場内労組が行った調査によると、パリ近郊やフランス北部ノルマンディー地方ル・アー
金属産業労組(IG メタル)と使用者団体(Südwestmetall)は2月6日、南西部の金属産業で働く90万人が対象の労働協約に合意した。 これにより、労働者は4.3%の賃上げと一時金を獲得し、さらに育児や介護のために最大2年間、週28時間まで労働時間を短縮できるようになる。同協約はパターンセッター(注1)の役割も担うため、合意内容は最終的に金属産業で働く390万人の労働者に波及する見込みだ。 好況と第4次産業革命を巡る議論 連邦統計局が1月11日に発表した実質国内総生産(GDP速報値)は、前年比2.2%増と過去6年で最高の伸びを記録した。また、近年、第4次産業革命(インダストリー4.0)を巡る「働き方の議論」が活発で、政府の白書(労働4.0)は、「労働者のライフステージに応じた主体的な労働時間決定が重要な鍵を握る」と提言している。今回の交渉は、このように好調な経済情勢や議論が追い風とな
ディスカッションペーパー 18-02 第四次産業革命による雇用社会の変化と労働法政策上の課題 ―ドイツにおける“労働4.0”をめぐる議論から日本は何を学ぶべきか? 概要 研究の目的 第四次産業革命により生じる雇用社会の変化と、それに対応するための新たな労働法政策のあり方について、ドイツにおける“労働4.0”をめぐる議論を素材に、日本の検討課題を探る。 研究の方法 現地調査,文献サーベイ,研究会開催 主な事実発見 「IT(情報通信技術)やIoT(モノのインターネット化)、AI(人工知能)、ビッグデータ等の新たなデジタル・テクノロジーの利活用による産業構造の変化(いわゆる第四次産業革命)は、雇用・労働分野に対してどのような影響を及ぼすのか?またそれによって、どのような雇用・労働(法)政策が新たに必要とされるのか?」。本研究は、かかる問いについて、日本における問題状況を相対的に捉えるための一素材
本日は、日本の母子世帯政策、特に、母子世帯就業支援政策について焦点を絞ってお話をさせていただきたいと思います。 日本の母子世帯の政策にとって2003年は一つの重要な転換点です。前年の2002年に「母子及び寡婦福祉法」が改正され、母子家庭の就業支援を規定する特別措置法も施行されました。それに伴い、様々な制度改正や新しい事業が導入されていきました。 では、なぜ日本は、そうした母子政策の転換が必要だったのでしょうか。そして、どのような転換が行われたのでしょうか。その前に、まずアメリカとイギリスで起きたことを簡単にご紹介したいと思います。 アメリカの政策─低所得世帯向けの勤労所得税額控除を拡大 日本に先駆けて、この二つの国は、1990年代後半に母子世帯の政策転換を行いました。アメリカの場合は、1996年に福祉改革が行われ、母子世帯への政策は就業支援に重点が置かれるようになりました。その背景には、ア
基調講演 若者雇用の質的変化を踏まえた若者雇用対策の現状と展望(PDF:2.8MB) 伊藤 正史 厚生労働省人材開発統括官付参事官(若年者・キャリア形成支援担当) 研究報告 近年の大都市の若者の職業キャリア 「第4回若者ワークスタイル調査より」(PDF:530KB) 小杉 礼子 労働政策研究・研修機構特任フェロー 事例報告 高学歴若年女性の入社後の悩み(PDF:423KB) 野依 智子 福岡女子大学国際文理学部教授 若者を受け入れる社会に働きかける─中小企業とネットワークをつくる(PDF:2.2MB) ※付属資料 わかもの就労ネットワーク(PDF:1.5MB) 高橋 薫 特定非営利活動法人文化学習協同ネットワークみたか若者事業統括 都立高校における不登校・中途退学の未然防止に向けた取組─都立学校自立支援チーム派遣事業─(PDF:1.2MB) 梶野 光信 東京都教育庁地域教育支援部主任社会教
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