日本総研 Research Focus 1 2015 年8月6日 No.2015-020 日本のサービス産業の生産性は本当に低いのか ~真の問題は「品質対比過小な値付け」に~ 調査部 チーフエコノミスト 山田 久 《要 点》 既存統計でみる限り、 「水準」 「変化率」の両面で日本のサービス産業の生産性は国 際的にみて低くなっているものの、サービスの生産性の計測は実務的には難しく 様々なバイアスが存在するのが実情。 「水準」の比較に用いる購買力平価は、品目 ごとにサービスの質が同じとの前提だが、 現実には国によってサービスの品質は異 なることからすれば、サービス産業の生産性の国際比較は単純にはできない。海外 からも日本のサービス品質は高いとみられていることを踏まえれば、 少なくとも日 本のサービス産業について海外に比べて生産性が低いという言説には十分な根拠 がない。また、 「変化率」の算