APECハワイ会合での日本の参加表明に続き、カナダ、メキシコも参加表明し、日本に先んじて、両国の参加が実現した。実際に交渉に参加するのは、12月の会合からであるが、両国の参加により、交渉の構図が変わりつつある。一番大きな影響を受けようとしているのは、農業分野である。 TPP交渉において、アメリカは豪州に対しては砂糖の関税、ニュージーランドに対しては乳製品の関税を維持したいという強い意向を持っている。アメリカは、これらの産品については、競争力を持っていないからである。ただし、全ての国に対して、砂糖や乳製品の完全撤廃の例外を認めさせようというのではなく、あくまでも競争力を有するこれらの国に対してのみ、例外を主張している。特に、豪州に対しては、米豪自由貿易協定で、砂糖を例外扱いしたことから、この合意をリオープン(再交渉)しないという交渉ポジションをとっている。もちろん、豪州もニュージーランドも、