【ロンドン=木村正人】『種の起源』で進化論を唱えた英国の博物学者、チャールズ・ダーウィン(1809~82年)の生誕から12日で200年。進化論は当時、生命は神によって造られたとするキリスト教の教えに背くと受け取られ、大きな反響を巻き起こした。進化論はその後、多くの科学者たちの支持を得たにもかからわず、米国では逆に進化論を信じない人が増えるなど、科学と宗教の論争はくすぶり続けている。 英エディンバラ、ケンブリッジ両大で医学や神学を学んだダーウィンは博物学にのめり込んだ。31年から5年間、英海軍の測量船ビーグル号に乗船し、動植物や地質を観察しながらガラパゴス諸島など南半球を航海した。生物は自然淘(とう)汰(た)を通じて進化すると確信し、59年に『種の起源』を刊行した。 進化論は科学界や社会の注目を集めた。しかし、英国国教会では、進化論は神の教えに反するという批判が噴出。一方で、自然淘汰こそ神が