[ベルリン発]ドイツのアンゲラ・メルケル首相が4選を決めた9月24日の連邦議会(下院)選挙で、反イスラム・難民、反ユーロ(欧州単一通貨)を叫ぶ極右政党「ドイツのための選択肢」の得票率は12.6%に達し、94議席を獲得する予想外の展開となった。 極右勢力の台頭 ナチスのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)のトラウマが残るドイツで右派が連邦議会に進出するのは初めて。その数の多さに衝撃を覚えない人はいないだろう。 選挙から一夜明けた記者会見で複雑な表情のメルケル Masato Kimura 前回2013年と比較してみると、極右の「選択肢」と、市場原理にこだわる自由民主党(FDP)が拡大した分、メルケルの支持母体であるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)の中道が勢力を失ったことが分かる。 100万人を超える難民が欧州連合(EU)域内になだれ込んだ2015年の欧州難民危機で「門