読書チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の自伝。チベット北東部、中国との国境に近い(この本の図版ではチベットと中国は別の国として地図上にある)タクツェルという小村に生まれた幼少の頃から書き起こされる。首都ラサからやってきた捜索隊に13世の生まれ変わりとして認められ、ラサへ移り住みダライ・ラマ14世として即位。この年第二次世界大戦が始まり、さらに中国内戦、パキスタンとインドの分離独立、中華人民共和国の成立、朝鮮戦争、などなどアジアがめまぐるしく変動した時期にチベット仏教最高指導者としての教育を受ける。ダライ・ラマ16歳のとき人民解放軍のチベット侵攻があり、一時ラサを離れた。側近を北京に派遣してチベット解放17箇条協定調印にこぎつけるも、人民解放軍はラサに進駐、食糧事情が悪化しチベットの経済は破綻に瀕した。19歳のとき自ら北京に赴き毛沢東、周恩来と会談。しかしその後もチベット各地での対中