被災地の状況は、想像を絶しています。まず第一に、自衛隊や救助隊、警察などの当局がすべての避難所を把握しているのではないということ。「避難所」というと学校や体育館、公民館などをイメージする人が多いと思いますが、必ずしもそうではありません。 海辺まで平野部が広がっている宮城県の沿岸では、工場や住宅、商店などが広がっていた市街地に津波が押し寄せ、地震による地盤沈下の影響もあって、水が引かずに浸水したままになってしまっています。この結果、被災地では広大な海が広がり、その海の中にぽつんぽつんと浸水しなかった場所が「島」のようにあちこちに残されているような状況。そしてこれらの無数の「島々」に、被災者が残されています。彼らの一部は潰れなかった誰かの家に集まり、別の一部は潰れなかった居酒屋の店舗内で助けを待っています。