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中谷宇吉郎に関するmshkhのブックマーク (12)

  • イグアノドンの唄 ――大人のための童話―― (中谷宇吉郎)

    twitter の代替サービスとして半年ほど前に話題になったものとして,「マストドン」 (https://mstdn.jp/ 等) がある.このマストドンは,少なくとも日の一部では,未だにそれなりに支持されているようだ.そこで当時書こうと思ったのが,今回の記事である.例によって,遅きに失しているけれども. 中谷宇吉郎の随筆に,「イグアノドンの唄」というものがある.これを読むと私はいつも寺田寅彦(中谷の師)のまさに名随筆である「団栗」を思い出して,そちらの方が傑作だとは思うのだけれども,それはさすがに酷な比較であって,この「イグアノドンの唄」も掛け値なく傑作であると言っていいだろう. 中谷宇吉郎一家は,第二次世界大戦終戦前後のころ,北海道の羊蹄(ようてい)山麓に疎開していた.そこは,有島武郎の「カインの末裔」の土地であり,中谷一家は,過酷な自然と,糧不足に苦しめられていた. そんな状況で

  • 中谷宇吉郎と寺田寅彦

    中谷宇吉郎(なかや うきちろう)は,昭和初期の物理学者で,雪の結晶や人工雪の研究で知られている.また,随筆家としても知られ,多くのすばらしい随筆を残している.現在として入手しやすいのは,「雪」「中谷宇吉郎随筆集」(いずれも岩波文庫)くらいだろうか.いずれも名著であり,このブログで紹介したいと考えていたのだが,それらについてはネットでもいろいろな書評などがあるようなので,まずはこのブログらしく(?),「寺田先生の追憶」という作品を手がかりに,中谷宇吉郎と寺田寅彦のことを書いてみたい. 中谷宇吉郎は,当時の東京帝国大学理学部物理学科で,寺田寅彦に師事して実験物理学の研究に携わった.それから,中谷は生涯寺田寅彦を敬愛していく.もともと,寺田研究室に入る前から吉村冬彦(寅彦の筆名)の作品を愛読し,寅彦宅にも度々訪れていたというので,よほど馬が合うところがあったのだろう.こういった点は,漱石の「こ

  • 中谷治宇二郎と,人が生きているということ

    前回のエントリでは,中谷宇吉郎のことについて書いた.宇吉郎には,治宇二郎(じうじろう)という弟がいた.中谷宇吉郎は有名であろうが,その弟の治宇二郎については,ネットではおそらくほとんど触れられていないのではないかと思うので,今回のエントリでは,治宇二郎のことと,それにまつわる思いについて書いてみたい. 中谷治宇二郎とその人となりについては,兄宇吉郎の,「一人の無名作家」という短いエッセーをいつも思い出す. 昭和十年発行の岩波版「芥川竜之介全集」第八巻に「一人の無名作家」という短文がある. 七,八年前,北国の方の同人雑誌を送って来たことがあるが,その中の「平家物語」に主題をとった小説が,印象に残っている.「今はその青年の名も覚えておりませんが,その作品が非常によかったので,今でもそのテーマは覚えているのですが,その青年のことは,折々今でも思い出します.才を抱いて,埋もれてゆく人は,外にも沢山

  • 線香の火を消さなかった人

    ブログもめでたく(?)10周年の区切りを迎えた(参照: 「ブログ開設10周年となぜブログを書くかということ」).以前から,更新頻度が少ないことが気になっていたので,今後はちょっとしたことでもエントリを書くようにしたい. 最近,国立大学の人文系学部廃止の方向性が文科省によって提示されている.たとえば,以下のような記事である. 教員養成系など学部廃止を要請 文科相、国立大に :日経済新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG08HCT_Y5A600C1CR8000/ 下村博文文部科学相は8日、全国の国立大学法人に対し、第3期中期目標・中期計画(2016~21年度)の策定にあたって教員養成系や人文社会科学系の学部・大学院の廃止や転換に取り組むことなどを求める通知を出した。(以下略) これについては,大学教員を始めとしてネットでも非難轟々といった趣である

  • 中谷宇吉郎 鼠の湯治

    この話は、北大のY教授の研究室でなされた、鼠に湯治をさせる話である。 ちょっと聞くと、少し唐突な話のようであるが、温泉が外傷の治癒に効くという昔からの信条を科学的に調査するために、鼠に傷をつけて、それを温泉に浸して、果してどれ位治癒に貢献するかということを調べたのだから、別に妙な話ではない。 事の起りは、外傷の自然治癒について、量的の研究はあまりないので、それを研究してみようというのであったそうである。最初に手をつけたのは、その研究室員の一人O君であった。まず沢山鼠を飼って、その各々に大体一定の大きさの傷を胴の所につけて置いて、その面積を毎日プラニメーターで測るのである。そして傷が治って行くにつれて、その面積の減少して行く様子を、時日の函数として図に描いて見るというのがその実験の方法であった。勿論鼠は生きているのだから、そうおとなしくプラニメーターで傷の面積を測らせてはくれない。それで、薄

  • ウェブリブログ:サービスは終了しました。

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  • 3月12日は中谷宇吉郎教授が世界で初めて人工雪の作製に成功した日 『ドラえもん』を読もう! 【きょうのマンガ】

    3月12日は中谷宇吉郎教授が世界で初めて人工雪の作製に成功した日 『ドラえもん』を読もう! 【きょうのマンガ】 きょうのマンガコロコロコミックドラえもん藤子・F・不二雄 2017/03/12 365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。 3月12日は世界で初めて人工雪作製に成功した日。日読むべきマンガは……。 『ドラえもん』 第21巻 藤子・F・不二雄 小学館 ¥429+税 1936年の日は、東京帝国大学(現在の東京大学)出身の中谷宇吉郎教授によって、世界で初めて人工的に雪の結晶がつくられた日。つまりは、世界初の人工雪が誕生した日でもある。 中谷教授はその後も着氷防止の研究など、様々なかたちで低温科学の分野において大きな実績を残しており、とりわけ象徴的な日が、今のところ何の記念日となっていないことがむしろ不思議なぐらいである

    3月12日は中谷宇吉郎教授が世界で初めて人工雪の作製に成功した日 『ドラえもん』を読もう! 【きょうのマンガ】
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  • 「猫舌男爵」、中谷治宇二郎… - 黌門客

    一年に大体一冊ずつ出ていた、ミステリー文学資料館編『古書ミステリー倶楽部』シリーズ(光文社文庫)も、とうとう今月出た第三弾で終るらしい*1。最後の三冊めにも、宮部みゆき「のっぽのドロレス」や長谷川卓也「一銭てんぷら」、小沼丹の随筆など、珍しいものが入っている。乱歩の「D坂」も入っているが、なんと「草稿版」である。 一冊めには、清張の「二冊の同じ」が入ったので、以前ここで紹介した。 二冊めに収録されて、とりわけ嬉しかったのは、皆川博子「舌男爵」である。千街晶之、日下三蔵など実在の人物による、虚構(つくりごと)の往復書簡(またはメール)を挟みながら、「ヤマダ・フタロ」(山田風太郎であることは容易に予想できるだろう)に「眷恋(けんれん)する」*2ヤン・ジェロムスキ(おそらくは架空の人物)の孤軍奮闘、いな独り相撲を軸に話が展開する。ジェロムスキが作中で、ポーランド語訳に取り組んだのが「ハリガヴ

    「猫舌男爵」、中谷治宇二郎… - 黌門客
    mshkh
    mshkh 2015/05/19
    宇吉郎に比べれば治宇二郎は言及されることは少ないですが,この人は興味深いですよね.ちなみに,治宇二郎は岡潔先生の親友でもあります(春宵十話参照)
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  • 中谷宇吉郎と軍事研究 - サイエンスとサピエンス

    寺田一門(寺田寅彦の学風を嗣ぐ物理学者)のうち、一番師匠に近いのは中谷宇吉郎であろう。来なら、また、戦争がなければ先端であった原子物理などの研究で、一流の業績を残したのであろうが、時代がそうはさせなかった。 当時、開学したばかりの北大の理学部の創設に立ち会い、土地柄にふさわしい業績を残したのは幸いであった。 いわゆる科学動員計画が決まるのが1940年、中谷宇吉郎は「航空機着氷の研究」と「霧の研究」を1941年2月よりスタートさせている。 前者はニセコ山頂観測所の建設となる。当時の費用で22万円もの予算を投じた研究であった。 翼着氷研究、プロペラ着氷研究、遮風板防曇法などが課題である。 なんといっても実物大の零戦のプロペラを持ち込んで実験したのだから、馬鹿にしたものではない。発電機と100馬力モータも山頂まで運び込んだ。ニセコ山頂は300メートル級なのだ、すべての機材を人力で運びあげたとい

    中谷宇吉郎と軍事研究 - サイエンスとサピエンス
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