みなさまお疲れさま――本当にさまざまなリアルツール事情 紀伊國屋書店の新宿本店で 『本の雑誌』(2025年3月号)の特集「私はこれで書きました。」という表紙が目にとまった。手にとって開いてみると「パソコンはひとり一台の時代、では作家やライターは何で原稿を書いているのか!? ~中略~ ハードとソフ両面から理想の執筆環境に迫るのだ!」とリードにある。 プロの執筆環境がどんなことになっているのか? 読んでみると、7人の作家の方々へのインタビューや記名原稿、受け取る側の編集者3人の座談会、角田光代さんや北村薫さんなど11人の作家へのアンケートから構成された記事だった。 最初に登場するのが、北方謙三氏で「万年筆を持つと小説脳になる!」とある。日本を代表するハードボイルド作家は、最初の1行を書けば、淀みなく修正もなく原稿用紙を1枚も無駄にせず書いてしまうのだそうだ。ところが、不思議なことにパソコンでは
