第26回参院選(10日投開票)の結果を識者はどう見たのか。 神戸女学院大名誉教授で思想家の内田樹さん 今回の選挙では、改憲や経済問題ばかりではなく、日本が直面する大きな問題である新型コロナウイルスのパンデミック、気象変動、戦争、人口減少も論点であったはずだ。今の政治はこうしたシリアスな問題に対応できず、日本…
新型コロナウィルス禍への日本政府の対応は「サル化」の一例にすぎない。「今さえよければ」と考える「サル」から脱却し長い目で考える時間意識を取り戻さなければ明日はない。 ◆ ◆ ◆ 『サル化する世界』という本を書きました。こういうタイトルにしたのは、この四半世紀ほどで日本人の考え方がはっきり変わったように思えたからです。といっても、人間が別のものに生まれ変わったとか、新しい段階に至ったということではありません。人間を取り巻く環境が変化し、それを取り込んで人間の意識も変化したということです。最も変化したのは時間意識です。 僕が生まれた1950年の日本の労働人口の50%は農業従事者でした。人々はそれと気づかずに「農業的な時間」「農事暦」を呼吸して生きていた。朝日とともに起きて、陽が落ちたら眠る。春に種を蒔き、日照りや冷夏や風水害や病虫害を恐れ、無事に秋を迎えたら収穫をことほぐ……。そういう「農業的
「(宿の)部屋のテレビが朝からつけっぱなしだったので、聞き流しておりましたが、すごいですね。もう1時間近くピエール瀧の話だけしかしてません。この国のメディアもう気が狂っているみたいです」 14日朝、そうツイートしたのは思想家で神戸女学院大名誉教授の内田樹氏だ。朝だけでなく、お昼も午後も民放の情報番組は、瀧のコカイン逮捕の話題一色。必ず1時間ほど引っ張り、続いて元モー娘。のゴマキの不倫の話題が延々と続く。他に伝えるニュースがないのかと錯覚しそうなほどだ。 瀧の肩を持つわけではないが、薬物犯罪は被害者なき犯罪という側面もある。ゴマキの不倫に至っては家族内で片づけるべき問題だろう。ちょうど昨年の今ごろ、財務省が森友文書の改ざんを認めたが、その顛末はどうなった。告発された財務省幹部ら38人は全員、不起訴。責任者の麻生財務相は今も辞めず、デカイ面だ。安倍首相夫妻の関与疑惑も晴れないまま、ウヤムヤであ
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