圏論が多分野に普及して30年を経た現在、誰もが読める圏論の本が必要だ――本書はこのモチベーションで執筆された。予備知識がほとんどない読者のために、例として半順序集合と半群がゼロから説明され、最後までそれらを用いて話が展開されている。これらのほかにも例が豊富に取り上げられている。なお、予備知識がほとんど必要ないとはいえ、数学的な厳密性は損なわれていない。すべての重要な命題と定理には完全な証明が付されている。本書は情報科学や論理学など、さまざまな分野へ役立てられるであろう。 (Steve Awodey :Category Theory 2nd edition、 Oxford University Press、 2010) 第1章 圏 1.1 序論 1.2 集合の写像 1.3 圏の定義 1.4 圏の例 1.5 同型 1.6 圏の構成 1.7 自由圏 1.8 基本:ラージ,スモール,局所スモール