埼玉県の小学2年の男児(8)が身体的な性と心の性が一致しない性同一性障害(GID)と診断され、学校に女の子としての登校を認められて5カ月になる。本人や親はどんな悩みを抱えてきたのか。学校や医師はどう受け止めたのか。今回の例を機に、子どものGIDについて考えた。【丹野恒一】 ◇診断から3カ月、学校動く 将来へ、母の不安なお 児童が5歳の時に写真館で撮った七五三の記念写真は、少し変わっている。りりしい羽織はかま姿のショットが張られた台紙をめくると、茶色い巻き毛を付けてにっこりほほえむ写真が現れる。まるで別人だ。「周りの女の子を見て『ドレスが着たい』と駄々をこねるので、仕方なく許しました。はかま姿の時むっつりしていたのがうそのようにポーズを取り始めて」。母親(46)は振り返る。 母親はGIDについて、バラエティー番組などで活躍する芸能人を見て何となく知っていたが、このころから「もしかして息子も」