『カローラ』はソツのないクルマである。100人が乗ったら99.9人が、なんの違和感も抵抗感もなく乗りやすいと感じるのではないだろうか。カローラが持つ、人になじむ腰の低さ。しかしそれは、ハイブリッドの登場で少しだけ様相が変わってくる。 エンジンをかけた瞬間に、視界に飛び込んでくるのは、インパネに仕組まれたハイブリッドならではの演出だ。クールな色使いで未来感をあおってくる。これだけで、なにか特別な、ちょっと上等なクルマに乗っている気分にさせられる。これまで庶民派をつらぬいてきたカローラが、三段くらい階段を駆け上がっちゃった感じで、運転席にいる自分もほんの少し、洗練されたように感じさせてくれる。 実はここが、開発者の狙いだったりして。いくら燃費がよくなったって、ハイブリッドの価格差をとりもどすには相当な年月&走行距離が必要になる。だったら、単純明快に、ハイブリッドを選んだことを楽しませなければ、