日本の漫画『攻殻機動隊』が原作の映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」。公開中のこの映画では、ほぼ全身を機械化(義体化)したサイボーグの主人公が「自分は何者か」を自問する。 最近、「AIが人間を超える」といった主張やシンギュラリティーが声高に叫ばれるようになった。Siriやチャットボットなどと接するにつけ、AIを人間らしく感じることはないだろうか。そこで「人間とAIの違いは何か」、さらには「AIは意識を持てるのか」という疑問が頭をもたげ、ついには「人間はどうあるべきか」「人間とは一体何か」という根源的な命題に行き着く。 AIはフィンテックをはじめあらゆる分野で研究・活用が進んでおり、技術者でなくともその理解は欠かせない。最近、『文系人間のための「AI」論』(小学館新書)を上梓した早稲田大学の高橋透教授は、サイボーグの研究者であり哲学者だ。高橋教授に刊行の狙いと映画をどう見たかをうかがった。(聞