報道を見るかぎり、たしかに異常である(※写真はイメージ)この記事の写真をすべて見る 批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。 * * * 大阪の学校法人・森友学園が豊中市の国有地を破格の低価格で取得した問題が話題になっている。 報道を見るかぎり、たしかに異常である。払い下げ価格は相場の10分の1近い。財務省は相場からゴミ処理費用を差し引いたと説明するが、費用見積もりの根拠は不透明だ。取得地に4月に開校予定の「瑞穂の國記念小學院」の校長は、安倍政権と密接な関係にある日本会議の役員を務めている。名誉校長には総理夫人の安倍昭恵氏が就任している。そもそも同校の設置計画は、当初「安倍晋三記念小学校」の名のもと進められていたという。首相に近い人物が経営する学校法人が、首相の名を冠して開設する学校のため格安で国有地を取得する