夏の甲子園大会はアメリカでも注目されている。 正確にいえば、愛媛・済美高校の安楽智大のピッチングが、それぞれの立場、視線で。とりわけ注目しているのは、米スポーツメディア「ESPN」か。彼らは5月終わりから6月頭にかけて来日して安楽を取材した。 その時の取材は雑誌とテレビの合同で行なわれ、当初の着地点は高校生の投手が危険に晒されているという問題提起だったはずだが、通訳/コーディネーターとして取材に携わっているうちに、彼らの意識が変わっていくのが分かった。 春の甲子園で安楽が772球を投げると、米主要スポーツメディアはこぞって批判。そんな中で「ESPN」は、背景を知りたがった。行き着くところ当然、甲子園となるわけだが、そこまで掘り下げていく中で、別のものが見えてきたよう。 彼らが甲子園での連投、あるいは練習での投げ込みをどう理解したのか。加えて、安楽はどう自分の言葉で春の甲子園、そして連投を語