【日曜経済講座】ニューヨーク駐在編集委員・松浦肇 1980年代以降、米国を中心とする先進国はさまざまな経済危機を経験したが、そのたびに各国の株価は戻して再び高値を追い続けた。だが、日本だけは違う。日経平均株価の史上最高値は89年12月につけた3万8915円なのだが、22年たった今も、はるか下辺の8千円台で低迷している。 なぜか? 市場解説者からは、「円高」「業績悪化」と十人十色の回答が返ってくるが、どれも一長一短だ。 長期低迷の背景は、実に単純明快だ。「会社のオーナーは株主」という民主主義・自由主義経済国家では当たり前のコーポレートガバナンス(企業統治)原則が、日本では通用しないからだ。 所有し売買もできる「物的証券」、企業の利益を享受する「利潤証券」、企業のオーナーたる「支配証券」。株式価値を構成する3大要素のうち、日本では「支配証券」の価値が完全に欠落している。 ◆ヤフー株価上