【第1回】短編小説の集いのお知らせと募集要項 - 短編小説の集い「のべらっくす」 * タイトル『ダグラ』 テーマ『A: ホラー』 2,995 / 5,000字 * ダグラの正体については諸説あるが、まずはそれが現れる際の形態について確認しよう。幼い頃、山や森の木々の中で、青白い二本の木を見たことのある者は多い。それがダグラだ。あなたも見たことがあるかも知れない。細長く伸びる木。てっぺんを見ようと目を凝らしても木の葉に紛れて見えない。そしてその二本の木自体には葉も枝も生えていないことに気付く。面白いことに、皆上ばかり気にして根本に重要な情報があることに気付けない。近付いて根本を見れば、それが木ではないことがすぐ分かる。なぜなら根があるはずの場所には手のひらがあるからだ。ダグラとは、天から地面に向かって伸ばされた、何者かの長い長い腕なのだ。 その腕の持ち主が何なのか判然としない点が、ダグラに関