間もなく30年になる平成政治史で、公明党は組む相手を変えながら、もう15年以上、連立与党の一角を占め続けている。ポスト冷戦時代に入るやいち早く同党を、政権を担い得る現実主義路線に転換したけん引役が市川雄一元書記長だった。 政治力の源泉は三つあった。政界最強実力者だった小沢一郎氏との「一・一ライン」と呼ばれた盟友関係。安全保障政策に関する抜群の論争力。そして政界に入る前、支持母体・創価学会で、池田大作名誉会長の後の参謀室長を務めた特別な経歴である。 冷戦後の日本が、自衛隊の海外派遣に道を開いた国連平和維持活動(PKO)協力法の制定時は、まだ野党だったが、憲法9条の枠を超えない範囲で国際貢献すべきだとして「参加5原則」作りを積極的に主導。三つの源泉を生かし、政界での存在感を高めた。
東京都の小池百合子知事が国政新党「希望の党」を設立、代表に就任したことで、都議会の勢力図が塗り替えられる可能性が出てきた。7月の都議選で協力した都民ファーストの会と公明党は、計78議席で都議会(定数127)の過半数を占めるが、公明は「都政を前に進めるという約束だった」と協力関係見直しも示唆。公明の23議席が離れれば知事提案の条例も可決が困難になり、今後の都政が混乱することも懸念される。【芳賀竜也、柳澤一男、円谷美晶】 公明の東村邦浩幹事長は、25日の小池氏の発表後、「都政を前に進めていくという約束だったが、知事に裏切られたという思いでいっぱいだ」と批判し、「(小池氏が特別顧問を務める)都民ファーストとの連携を解消するかどうかは党本部とよく相談したい」と述べた。
<net watch> 東京都議選告示(6月23日)の2日前、公明党がツイッターで突然、共産党を3K(汚い! 危険! 北朝鮮!)と批判した。これに対抗して共産党は告示前日、自らを3K(キレイ! キレキレ! クナン・ケイゲン!)だと切り返す内容を投稿した。両党はこれまで選挙のたびに互いの機関紙で激しくやり合ってきた。今回、戦線は一般の目にも触れるネット上にまで拡大し、世間を驚かせた。【岸達也】 公明党広報のツイートによると、共産党の3Kとは、汚い=公明党の実績を横取りする▽危険=オウムと同じ公安の調査対象▽北朝鮮=「危険ない」と的外れな発言--だという。ツイートは話題を集め、都議選開票翌日の今月3日現在、8800回リツイート(拡散)された。公明党広報は毎日新聞の取材に「公明新聞に掲載されたもので党の公式見解ではないが、内容に裏付けがあり、全く問題ないと考える」とする。
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