バス停で、5人くらいが待っていた。男の子を連れたお母さんや、ご老人や、仕事帰りのおじさん。このご時世なので、みんなずいぶん距離をとって、ガードレール沿いにだいぶスカスカした行列を作っていた。 普通に考えれば、同じくバス待ちのお客さんとしてやってきたわ自分はその行列の最後に並ぶべきなんだけど、どうしてもその列の一員になりたくなくて、わたしは一歩離れたお店の軒下でその行列を眺めていた。 眺めながら待っているうちにもバス待ち客は続々とやってきて結局行列は10人を超えたと思う。 バスがやってきて、並んだお客さんがぞろぞろと乗り込んで、あとふたり、くらいになってやっとわたしは列の最後に並んでバスに乗った。 到着順なら6番目だったのが11番目になろうと、そのせいでバスの中で座席にあぶれても、そんなことよりあの『並んだお客さんのうちのひとり』になるのが、どうしても気持ち悪くていやなのだ。並んだお客さんの
![並びたくない](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b1638cdb5807a4788e4ba3c1109a984166e095fc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ffanyv88.com%3A443%2Fhttps%2Fanond.hatelabo.jp%2Fimages%2Fog-image-1500.gif)