誰がだれのマネしたとかせんとか、もう本当にウルサイことである。 オリジナリティとは何かという問題についてついぞ考えたこともなく、今後もけっして考えないであろう人たちだけが、盗用があったとかなかったとか、そんなことだけで騒ぎたがるのである。騒ぎたければ勝手に騒げばよいが、そのことによって等閑視されてしまう問題があり、それが美学的には重要な問題なのである。 オリジナリティとは何かをちゃんと考えたことのない人たちにとって、オリジナリティとはたんに、他のものに似ていないということにすぎない。そういうオリジナリティだったら、ネット検索で容易に判定できる。そんなことはまあ、美学的には、どうでもいい。いや、むしろ有害な態度である。なぜならそうした態度は、作品をちゃんと視て真剣に思考することから、私たちをどんどん遠ざけてしまうからである。 類例がないからオリジナルだという考えは、戦争がないから平和だという