無差別な殺人や通り魔などの犯罪が起きると、被害者や加害者の顔写真がしばしば報道されます。マスコミはさまざまなルートから顔写真を入手していますが、少なくないルートが「卒業アルバム」。卒アルの写真を用いる報道には、「興味本位」「被害者をさらし者にするのか」といった批判が少なくありません。 前橋市で2014年末、高齢の男女3人が刃物で殺傷された事件。容疑者として26歳の無職男性が逮捕されると、その顔写真があちこちで報道されるようになりました。出所のはっきりしないものもあるようですが、「卒アル」と明示した報道もありました。 例えば、朝日新聞の2015年1月15日朝刊。その福島版には「高校の卒業アルバムに『授業風景』として載っていた」というキャプション付きで、机に向かう容疑者の写真が掲載されています。容疑者が一時福島県で暮らしていた関係から、記者は「関係を訪ね、足跡をたどった」そうで、記事には「暴力