
工学部ヒラノ教授 作者: 今野浩出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 65回この商品を含むブログ (25件) を見る自身をビーラカンスと呼ぶベテラン工学部教授の長編エッセイである。20代の学生からみると60歳の教授はシーラカンス。70歳はその上をいくビーラカンスだというのだ。失礼だが、そもそもシーラカンスを持ち出してくるだけでも年代を感じる。 しかし、理工系の大学の内部について、これほど具体的に語りつくした本を読んだことがない。しかも、筆致は軽やかで、ユーモアも上等だ。一気に読めて、まずはなぜ日本の製造業が世界最強だったのかという謎が解ける。 工学部出身者、すなわちエンジニアの鉄則として「納期厳守」、「頼まれたことは断らない」、「他人の話は最後まで聞く」、「拙速を旨とすべき」などがあったという。彼らのおかげで日本は一時的にでも製造業の
「東大教授が新入生にオススメする100冊」に、必ず登場する名著。 本書は、安直ビジネス書に群がり、カモにされているカモリーマン向けではない。週末にナナメ読んで、「なんとなく分かった気分になる」自己満足を目指していない。1問1問、エンピツとノートを準備して、101問すべてに取り組むべし。「解説書なんかいくら読んだって論理の力は鍛えられない。ただ、実技あるのみ」のとおだ。やれば、やった分だけ向上する。 大きく2部に分かれており、前半は、接続詞に注意して正確に議論を読み取り、その骨格をつかまえるトレーニング。そして後半は、演繹と推測の適切さを論証し、さらに論証を批判的にとらえる訓練をする。すべて、①練習問題→②自力で解く→③解説と答えあわせのくり返し。章末に、ちとムズめの問題が待ちかまえており、③の理解を確かめることができる。200ページたらずの薄手の本なのに、中はどろり濃厚で、「飛ばして」「ナ
おお!これは良かった。久々に一本背負いを喰らったミステリ。 人里離れた別荘でおこる惨劇を描くのだが、これがなんともオーソドックス。「あの」ツツイがなんでこんな陳腐なモチーフを選んだのだろうといぶかしむ。ちょっと違うのは、舞台がロートレックの作品で彩られていること、主人公が侏儒であること。 セオリーどおり、アリバイは?動機は?得する奴は?と経験に即して展開を先読みしていく――のだが、ストーリーはもっと先回りして、読み手の予想を裏切るかのように、ひとつまたひとつと展開の可能性が潰されていく。読み慣れていればいるほど、先々が行き止まりになっている迷宮に入り込んだかのような切迫気分に陥る。 で、そいつをひっくり返すカタストロフとカタルシスが!――で、そいつをいちいち分析しだす意地悪さよ、と思いきやシメは最後は文学臭まで漂わせている。なかでも傑作なのは…と語りたいのは山ヤマだけど、ネタバレなので格納
前回、前々回に引き続き、2007年問題ともいわれているノウハウ継承の問題について、特にプロジェクトマネジメント能力の育成に焦点を当てて考えていく。今回は特にプロジェクトの運営について考える。 団塊世代が組織から去りつつあるいま、プロジェクトマネージャの量的不足・能力不足を懸念する企業が多い。3回目となる今回は、前回、前々回に引き続きシステム開発のプロジェクトマネジメント能力育成について考える。 少ない経験を生かす仕組み作り プロジェクトマネージャの量的・質的な問題が懸念される中で、育成に必要な「経験の場――適当な内容や規模のプロジェクトがなかなかない」という問題を抱えている会社が少なくない。数少ない経験の機会を有効に生かせる手立てが求められている。 経験を生かす人とそうでない人 同じような仕事を担当して、同じような課題や問題に遭遇し、同じような経験をしてきたはずの人たちの間において、年月と
あらゆる成功本にトドメを刺すスゴ本。3章まで読めば、ほとんどの自己啓発本は無用。さらに4章では、より高次の「夢」を実現する方法まで紹介されている。6章は悪用厳禁、他者を支配下におくやり方がある。要するに、自分(や他人)を洗脳する方法が書いてある。 自分を洗脳 → (自分の)成功に向かって自分を注ぎ込み、実現させる 他人を洗脳 → (高次の)夢に向かって他人を巻き込み、思い通りにする だから、自分だけの成功の実現のために、他人を利用することができてしまうため、前者は詳しく、後者はぼかして書いている。 amazon評に「ノウハウが分かりにくい」とあるが、6章のことだろう。むべなるかな、「わざと」そうしていることに気づけよと。手取り足取り説明すると、誰でも悪用できる強力な催眠術のようなものだから。コトの重大性を理解できないような輩には、最初からお断り、というやつ。著者のblog[ドクター苫米地ブ
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