日本企業の労働生産性が経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最下位であることは、あまり知られていない。国家財政が破綻しているギリシャやシエスタ(昼寝)が大好きなスペイン以下なのだ。労働生産性とはGDPや売上などのアウトプットを労働時間で割って算出したデータだが、日本の労働生産性が低いのは、経済成長していないのに労働時間だけが長くなっているからだ。 この労働生産性の指標は重要だ。特に日本の場合、今後、少子高齢化が加速化して労働力不足に陥ると予測されているなか、国内では少ない労働力でいかにパフォーマンスを上げていくかが業績を上げていくためのカギを握るからだ。 労働生産性低下の元凶は2つある。ひとつが「忖度(そんたく)病」で、もうひとつが「コンプライアンス病」だ。この2つの病は密接に絡み合っており、病根を絶たない限り、日本の労働生産性は向上しないだろう。 秘書を後継社長に据える異常さ 忖度病と