ジャーナリスト・黒井文太郎のブログ/国際情勢、インテリジェンス関連、外交・安全保障、その他の雑感・・・(※諸般の事情により現在コメント表示は停止中です) 一時期、元ロシア情報機関員のアレクサンドル・リトビネンコが放射性物質を盛られて毒殺された事件が日本でも大きく報道されていた。それについては弊誌第4号でも触れたが、かつてロシアに住んでいたことのある経験から、あまり日本の報道で指摘されていない点をひとつ述べてみたい。 ロシアでは、たいていの事件の裏にカネが関わっている。これは共産主義時代からのことで、表向きはイデオロギーがどうのとか政治的にどうのということが言われるが、その裏はほとんどがカネの取り合いになっていたことが多かった。冷戦末期からはそれに拍車がかかり、とくにエリツィン時代のロシアは法治国家ではなく、カネと暴力がすべてだったといって過言ではない。 そんなエリツィン時代に、権勢を極めた