iPS細胞の応用について論じたダイヤモンド・オンラインの記事において、「クローン」についての誤解が見られた。 ■iPS細胞の発見は人類にとって「福音」となるのか?|シリコンバレーで考える 安藤茂彌|ダイヤモンド・オンライン iPS細胞を生殖機能に応用すると、さらに恐ろしい世界が出現する。自分の皮膚細胞から卵子と精子を作り、それを受精させて、もう一人の「若々しい別な自分」(クローン)を誕生させることも、理論的には可能になる。 自分の皮膚細胞から卵子と精子を作り、それを受精させることができたとしても、それはクローンではない。なぜなら、卵子や精子が形成される過程において、減数分裂が起こるからである。順番に説明しよう。「自分」の染色体は2本づつある(相同染色体)。それぞれ、父親および母親に由来する。父親由来の染色体を水色で、母親由来の染色体をピンクで示した。ヒトであれば染色体数は23対46本である