「背理(はいり)法」をご存じだろうか。高校時代に数学の授業で習ったといえば名前ぐらい覚えているだろう。 ある事柄を否定するために、その事柄を仮定した際に矛盾が起きることを示すものだ。矛盾が起きるのはある事柄を仮定したからであり、その事柄自体がありえないという話になるという証明の手法である。 ある事柄を前提として話を進めてとんでもない矛盾を導き出して、次の瞬間に一転して全面的に否定する。土俵際のうっちゃりのようなものだ。 今月13日に開かれた衆議院社会保障と税の一体改革特別委員会の公聴会で、筆者はこの背理法を使って、日本の財政状況は危機的である(例えば3年で日本の財政は破綻する)ことを否定した。 現在、日本国債のCDS値(破綻に備える保険料のようなもの)は約1%。“3年財政破綻説”が正しいと信じているなら、1%の保険料を3年分、合計3%払えば、財政破綻の際に“保険料”が100%入る。