東京地検は3月5日、東京都足立区の病院で2016年、手術直後の女性患者の胸を舐めたなどとして準強制わいせつ罪に問われた男性医師(43)を無罪とした東京地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。 ■医師に無罪判決を言い渡した 2月20日、東京地裁の大川隆男裁判長は、女性が麻酔による幻覚の影響を受けていた可能性があると指摘。女性の胸から医師の唾液成分を含むDNAが多量に検出されたことについて、会話の飛沫や触診にともなう汗などの可能性も排除できないとして、医師に無罪判決を言い渡した。 しかし、この判決、「被害者に麻酔覚醒時のせん妄が発生した上、被告人のDNAが会話による唾液の飛沫(若しくは触診またはその双方)によって被害者の左胸に付着するという、被告人の立場から見ればいわば『二重の不運』が被告人を襲ったことになるが、これら2つの事象が同時に発生することもあり得ないこととはいえない」との認定であり