〝性別〟を理由に使われず 「決して速くはありませんが、夫婦でマラソンを楽しむ生活をしていました」 京都府に住む柘植(つげ)知彦さん(57)は、そう振り返ります。 2013年12月、地元のマラソン大会で8.8kmのコースを走っていた妻の彩さん(50)は、ゴールまで残り1kmの地点で突発的な心停止に見舞われました。当時39歳の彩さんに持病はなく、突然のことだったといいます。 沿道にいた女性が異変に気づいてすぐに胸骨圧迫(心臓マッサージ)を始め、数分後にはAEDを載せた大会の救護車も到着しました。 AEDは車から降ろされたものの、使われなかったといいます。 のちに柘植さんが大会の主催者に確認したところ、「駆けつけた救護員が男性で、倒れていたのが女性だったから使われなかった」と説明を受けました。
