【台北=源一秀】台湾の最高検は11日、総統府機密費の不正流用疑惑などに関与していたとして、同日午前に出頭していた陳水扁・前総統(57)の逮捕手続きを開始した。 陳氏は手錠をかけられた姿で車に乗せられ、台北地方裁判所に向かった。逮捕されれば、総統経験者で初めてのケースとなる。 陳氏は2006年、外交活動などに使う機密費を私的に流用した横領の疑いがもたれている。当時は現職の総統だったため、起訴は見送られたが、共犯者とされる呉淑珍夫人が同年、起訴され、現在、公判中。 陳氏にはこのほか、台北市長選や総統選の選挙費用の余剰資金とされる約2000万米ドル(約20億円)を複数の海外口座に送金したマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いも浮上した。陳氏はこれまで5度の事情聴取を受けているほか、9月以降、側近ら関係者9人が逮捕された。 11日夕、逮捕手続きのため、一時拘束され、手錠をかけられた陳氏は、集まった報