クラシックな素材から、過去に生きない酒を造る。 ハッとする裏切りから、腑に落ちるひと口目。その先の付き合いはつくづく楽しい。 米の味がしっかりした濃厚さが旨い、だが飲み続けるには軽さもほしい。そんなアンビバレントな感情をほどく、濃いのに軽いコントラストのある味。幾日かを跨いでも手招きする、鼻を掠める品のある余韻。 吾有事は、曹洞宗の開祖 道元禅師の言葉。自分という存在と時間が一体になること。言い換えれば、やりがいを追求すること。酒造りにおいて、経過する時間や自分の存在を忘れて没頭する、という気概を込めて名付けられた銘柄。 その意気をぶつける舞台は、まるでタイムスリップしたかのような佇まい。およそ三〇〇年にわたり醸してきた酒室。苔むした主屋屋根の矢切りと、後ろから立ち昇る湯気。威風。 吾有事 特別純米 原材料名/米(国産)・米麹(国産米使用) 原料米/山形県産米100%使用 精米歩合/60%