月刊「潮」2010年6月号のインタビューが朝日新聞論壇事業5月27日に紹介されたので、ここに全文を載せます。ここから少し校正したかもしれませんが大意は変わらないでしょう。 *** 和風志向と人間関係 三浦 展 若者の欲望は「喪失」したか 若者の欲望が「喪失」しているのではないか、とよくいわれる。たしかに最近の若者の、消費に対する消極的な姿勢は旧世代の大人たちからは不可解に見える面もあるだろう。企業からすれば、消費してくれないことには自社の売り上げが伸びないので、ゆゆしき事態となる。 現代の若者は、バブル期の若者たちのようにクルマやブランド品、海外旅行といった、わかりやすい大型の消費をしてくれない。そのために、若者の欲望が「喪失」したと思われているのだろう。いわゆる「草食化」、つまり消費や性に対する若者の意欲の減退がいわれるのも最近の傾向だ。 だが本当に、若者は欲望を「喪失」したのだろうか?