…………日本が誇る“奇書”「ドグラ・マグラ」の初刊行から90周年。近年は電子書籍でも手軽に触れられる時代になったが……各位、読むときは冷静に正気を保ってほしい。 今も本屋で平積みにされる、戦前の“奇書” 読むと精神に異常をきたす本ーー。いつしか巷でそう呼ばれるようになった、“奇書”の存在をご存じだろうか? 1935年に発表された夢野久作の推理小説「ドグラ・マグラ」だ。 本作は、日本の“三大奇書”の一つでもある。他の2作は、小栗虫太郎「黒死館殺人事件」(1935年)と、中井英夫「虚無への供物」(1964年)。 いずれも日本のミステリー史に残る名作として今もカルト的な人気を誇るが、なかでも特に代表的存在になっているのが「ドグラ・マグラ」である。 2025年1月は、この「ドグラ・マグラ」の初刊行からちょうど90周年。これだけの月日が経過してなお本作は、本屋の棚に今も平積みで置かれている。人はなぜ
