「(実用目的の)『応用美術』が著作物として保護されるか?」 というのは、著作権法の世界では、一大論点として長年議論されてきたテーマである。 当ブログにおいても、過去に何件か、この点が争点となった裁判例を取りあげてきたし*1、最近でもカスタマイズドールから体験型装置(スペースチューブ)、ワイナリーの看板、ファッションショー、建売住宅といったものまで、この点が争われた事例には事欠かない。 そして、この論点については、これまで、 「意匠法との境界を画するという観点から、保護を受ける応用美術とは、著作権法で保護されている純粋美術と同視できるものであると解すべきである。」 「このような応用目的が存してもなお著作権法の保護を受けるに足るプラスαがある応用美術に限り著作物として認知すべき」 (中山信弘『著作権法〔第2版〕』171頁(有斐閣、2014年) という見解が有力であり、これまでの裁判例においても