覚せい剤をはじめ、違法な薬物の事件報道が時おり世間を騒がせる一方で、薬物依存症は治療が必要な病気でもある。それはギャンブル依存症などでも変わらない。では、依存症はどんな病気で、どんな人がなりやすく、どうやって治すのだろうか。日本における薬物依存症の治療と研究のパイオニアである松本俊彦先生の研究室に行ってみた!(文=川端裕人、写真=内海裕之)

加計学園の獣医学部新設をめぐり、3年前、安倍総理大臣は加計理事長と面会したのか。 即座に否定した安倍総理大臣が、根拠の1つとしたのが報道各社の「首相動静」だ。「首相動静などで調べるしかないが、それを見るかぎりお目にかかっていない」と。しかし、首相動静は本当に根拠となるのか。そもそも、総理のすべての動きを捉えたものなのか。 今回は、私たち総理番記者が「首相動静」をどのように取材し、書いているか明らかにしよう。そして、いつから、なぜ始まったのか、その起源をたどってみた。 (政治部総理番 佐久間慶介) 「首相動静」の記事をご存じだろうか。新聞社によって名前は違うが、全国紙などの片隅に毎日、小さく掲載されている。NHKでもウェブサイト上に「総理、きのう何してた?」というコーナーで日々更新している。 総理の行った場所、面会者を記録したもので、「何時何分、誰それと面会」などと記載されている。 総理の日
今月1日に日本学術会議から「子どもの放射線被ばくの影響と今後の課題」という報告書が発表された。日本学術会議は我が国の人文・社会科学から理学・工学までの全分野の代表者からなる、いわば「学者の国会」。政府に対する政策提言から世論啓発までを役割としている。 報告書が対象としている東京電力福島第1原発事故については、既に多くの論文や調査結果などが蓄積されている。国連科学委員会の報告でも、放射能由来の公衆の健康リスクについて「今後もがんが自然発生率と識別可能なレベルで増加することは考えられない」と結論が出ている。 学術会議の報告でも、被ばく量はチェルノブイリ原発事故よりはるかに小さいという評価が改めて示されているが、特に不安の多い子どもへの影響に焦点を絞っている点が重要だ。「福島第1原発事故による胎児への影響はない」としており「上記のような実証的結果を得て、科学的には決着がついたと認識されている」と
ジャーナリスト・池上彰さんの話 全ては2003年の米ブッシュ政権のイラク攻撃から始まった。 少数派のスンニ派が多数派のシーア派を抑圧していたフセイン政権を倒せば、両派が殺し合うことは当然、予想できたはずだ。一党独裁だったバース党の党員を公職から追放し、その結果、国家が崩壊。内戦が始まり、「イスラム国」の前身だった過激派が組織されていった。 「イスラム国」は人頭税で徴税し、インフラ整備も行っている。統治しているのは、フセイン政権を支えていた官僚などの行政のプロだ。 「イスラム国」に加わっている… こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
日本人人質事件は、残念な結果になった。 昨年六月に登場して以来、その残虐さで国際社会を震撼させてきた「イスラーム国」が、いかに深刻な問題かを、日本は遅ればせながら実感したことになる。 この問題について、筆者はあまり語ってこなかった。少ない情報で、しかも人命がかかっていることで、あれこれ語ることがいいとは思えなかったからだ。この事件に関する日本の報道を見ていると、解決に逆効果をもたらしたのではないかと懸念する。 そもそも、国内の普通の誘拐事件だったら、ここまで情報や憶測を垂れ流しにしただろうか。こうすればよい、ああすればよい、といったコメントが、いちいち日本側の手の内、対応を犯人に晒しているとの自覚はなかったのだろうか。 犯人が海外だから、日本国内で交わされる議論は聞こえないとでも思っているのかもしれない。だが、ネットに掲載される情報は日本語でも簡単に自動翻訳にかけられるし、テレビ画像でもY
ありとあらゆるメディア、識者、ジャーナリストが問題の本質をネグって、“朝日吊るし上げ”に熱狂する言論状況。そんな中、本サイトは逆に朝日を叩く側、読売新聞や産経新聞、週刊誌、そして安倍政権に対して、「おまえたちも同じアナのムジナだ!」と徹底批判を展開してきた。付和雷同、勝ち馬に乗ることしか考えていないこの国のメディアの中でこんな酔狂なまねをするのは自分たちくらいだろうと覚悟しつつ……。実際、いくら書いても孤立無援、本サイトの意見に同調してくれる新聞、テレビ、雑誌は皆無だった。 ところがここにきて、意外な人物が本サイトと同様、メディアの“朝日叩き”への違和感を口にし始めた。その人物とは、朝日新聞の連載で朝日の報道姿勢を批判するコラムを書いて掲載を拒否された池上彰氏だ。 この問題は朝日新聞による言論の封殺だとして読者から非常な不評を買い、朝日にとって「慰安婦問題」や「吉田調書」以上にダメ―ジにな
過ちがあったなら、訂正するのは当然。でも、遅きに失したのではないか。過ちがあれば、率直に認めること。でも、潔くないのではないか。過ちを訂正するなら、謝罪もするべきではないか。 朝日新聞は、8月5日付と6日付朝刊で、「慰安婦問題を考える」と題し、自社の過去の慰安婦報道を検証しました。これを読んだ私の感想が、冒頭のものです。 6日付紙面で、現代史家の秦郁彦氏は、朝日の検証について、「遅ればせながら過去の報道ぶりについて自己検証したことをまず、評価したい」と書いています。これは、その通りですね。 しかし、今頃やっと、という思いが拭い切れません。今回の検証で「虚偽」と判断した人物の証言を掲載してから32年も経つからです。 今回、「虚偽」と判断したのは、吉田清治氏の証言。氏が自らの体験として、済州島で200人の若い朝鮮人女性を「狩り出した」などと証言したと朝日新聞大阪本社版朝刊が1982年9月2日に
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