集団的自衛権をめぐる自民、公明与党間の協議がまとまり閣議決定にこぎつけようとしている。しかし、私にはいくつかの点で、疑念や懸念を拭い切れない。 ≪縛りすぎてはいないか≫ まず第1に、集団的自衛権を含めた新たな自衛権の行使の3要件は厳しすぎる。与党間でほぼ合意を得た新3要件は、以下のようである。 (1)我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険のあること(2)これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと(3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと-である。この3要件を満たした場合に、自衛のための措置として「武力の行使」が許容されるとしている。 第1要件およびそれとの関連で付せられた第2要件は、あまりにも限
